こうしてどんどん洋楽が好きになっていったきくた少年は、それ以降カッコいいだけで洋楽を聴いていたところから少し発展し、今度はその曲の歌詞の内容が知りたくなり、この曲はどんな内容の歌なんだろう、この単語の意味は、と歌詞を訳してみたくなったのです。
歌詞カードに載っている翻訳家の訳した意訳は非常に詩的で、教科書で習った文法や単語を駆使して訳した中学生のつたない文法的直訳とは比べ物にならないくらいクオリティの高い英語詩で文学そのものでした。
訳し方ひとつで単語も文法もこんなにも素敵な詩に変わるのかと感動し、英語の辞書と担任の先生を巻き込んでの洋楽歌詞和訳ブームが訪れるまでそう時間はかからなかった。
中でも80年代を代表するアーティスト「Wham!ワム」の代表曲「Last Christmas ラストクリスマス」若い人でも季節になると多分一度は耳にしたことのある超有名曲です。
その冒頭の一節
Last Christmas, I gave you my heart
But the very next day, you gave it away
This year, to save me from tears
I’ll give it to someone special…
曲を聴きながら歌詞カードを読み、文法的にも習ったばかりの文型だったり、単語も難しくなかったので簡単に訳した気がします。
去年のクリスマス、私はあなたに私の心をあげました。
しかし、その次の日あなたはそれを手放しました。
今年は、涙から私を救うために
私は特別な誰かにそれをあげるでしょう。
giveは4文型をとる動詞{give 人+物}「人に物をあげる」
4文型を3文型{give物to人}に書き換えられる
to saveは不定詞の副詞的用法「~するために…」などなど、
授業で習ったいわゆる英語の勉強の延長で、こんな直訳丸出し・英文法丸出しで訳してみました。
しかし、歌詞カード訳を見ると…
去年のクリスマス
君に僕のハートを捧げたのに
すぐに翌日に君は放り出してしまった
今年
もう涙はごめんだから
誰か特別な人にあげることにするよ
単なる和訳ではなく英語の詞そのもの、中学生の和訳とは大違い。素晴らしいと思った。
以降英語は、学校の授業でいわゆる「勉強する」ものというとらえ方から、好きな洋楽の歌詞を構成している言葉と考えるようになった途端、英語の勉強が全く苦にならなくなり、歌詞カードを訳すようになってからというもの、ケンとトムの会話があまりにも簡単すぎて…
あらゆる曲を訳すことで教科書をはるかに超えた単語や文法をも覚えるようになると、長文読解もスラスラと読めるようになり出し、テストでも高得点を取ることができるようになり、英語という教科が非常に得意になったことは洋楽レコードに感謝である。
英語に限らず、勉強が好きになるきっかけなんて案外些細なことなんですよね。
私にとって洋楽レコードは教科書であったし、英語=勉強でなく、聴くものという風になりました。
でも今この歌詞カードの訳を見ると、80年代チープクオリティがダサカッコよくていい味ですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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