【岩沼の塾ブログ】デジタル時代と「伝統」 其之弐

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今の高校生に伝統とか、愛校心とかそんな陳腐な言葉を熱く語ったところで響くことも共感を得ることもないのは理解できるし、強要することもないだろう。

おそらく応援団という文化は、今時の高校生にとって時代遅れのダサいものとして真っ先に伐採されたものに違いない。

仮に高校の生徒会や部活動委員会活動の一環の組織として残していたとしても、当然率先して応援団に入ろうとする生徒などいるはずもなく、結果的に衰退した延長上に、全校生徒誰一人としてその高校の応援歌も歌えず、それどころか応援歌が自分の高校にあることさえ知らずという現状。
多分先生でさえ同じ状況、うちの高校の応援歌ってどんなの?かもしれない。

いくら21世紀デジタル主流の時代の流れに沿って、デジタルコンテンツ以外は時代遅れの不要物だと排除したとしても、なくしてもいいものと、なくしてはいけないものはよく考えていかなければならないようにも思う。

英語の教科書に、AIが進歩することで、将来的になくなる仕事と逆に創出される仕事があり、将来通訳になりたいという夢をもった子が、いずれAIは通訳という仕事をも奪ってしまうだろうという衝撃的な記事を目にする。という話が載っています。

もちろん教科書なので、英文を読み、文法を学習するのが目的なので文の内容がどうこうではないのですが、教科書で取り上げているように、AIが発達することでいつかは通訳という仕事が必要なくなる時代が来るのかもしれません。

スマホに向かって、あなたの演奏素敵ですね、をフランス語に翻訳して…というCMを見ることがある。正直すごい時代である。

通訳どころか辞書も語学も、スマホ一つあれば何もいらない、何でもできる時代が来るかもしれないし、現にもうそこまで来ているのだ。

そんな便利なデジタル時代が進歩すればするほど、必要なくなるものもまたどんどん増え、過去のものとして世の中から消えていく。

それが応援団であり、校風であり、愛校心であり、学校の色なのかもしれない。

しかし、やはり人が生きていく上で大切なことは、前にも述べたあいさつであり、人同士のコミュニケーションである。つまりスマートフォンにはできないこともあるし、どれだけAIが進歩しようと、結局人の手によって作られていることは確かである。

デジタルコンテンツ以外は時代遅れの不要物だとした考えがある一方で、時代に逆らいアナログレコードにエモさを求める今時のデジタル若者が増加しつつあるのもまた事実。

応援団だとか伝統だとか、というアナログ丸出しのコンテンツは不必要な時代なのかもしれないが、でもやはりなくしてはいけない大切なものであるように思います。

応援団がなくとも、高校は新入生には応援歌やら愛校心というものを指導し、高校総体で自分の高校の部活の勝った負けたを見せなければ、自分がこの高校に入ってよかったな、ここの高校の生徒でよかったな、とそんな気持ちを少しも持つこともなく卒業してしまうホントにドライな高校生活を送らせてしまうかもしれない。

近い未来に「応援団の学ランってエモいよね」って1周回って各高校に応援団が復活することを祈って。


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盛岡一高、東北大。中学受験の塾「標準仙台校」に入社。2008年から独立し仙台藤原塾を設立。東大合格生から不登校児まで数千人以上の様々な生徒を指導。近隣学校での講演会あり。ボードゲーム「悲しき熱帯魚」「漁村においでよ!」「俺の街」「ぶたぶたこぶた」作者。ボードゲームはドイツのエッセンシュピール’16にも出展。独自の楽しくアタマが良くなる知育パズル本も好評発売中。